出来ていないと思えることは可能性

得意なことをのばす、というのはよく言われていることだ。
しかし逆の発想もあるのだな、と思った。

働かないひと。

働かないひと。

「働かないひと。」という本は、サラリーマン等いわゆる「フツウの給料体系」で働かない、10人のインタビュー本である。
ホスト、天文学者、文筆家、経営者などなど。
至極あたりまえのことだが、世の中には本当に様々な職業があるものだ。

その中で最後に出てくる人、西村佳哲は、職業「働き方研究家」。ちょっと怪しい。
20:80の「パレートの法則」の話から始まったので、
ああまた一般的なライフハック好きかと思ったが、
読み進めると少し斬新な視点をもっている。

彼は言う。


「出来ていないと思えることは可能性」


出来ていないと思い悩み、葛藤することは
本当はこうであって欲しい、という明確なイメージがあるから
そのイメージと現実にギャップを感じるということだそうだ。
逆に「もう自分は出来ている」と満足してしまったらそこで終わりなのだという。
何か他人と比べて自分が劣っていると感じたり、心がザワザワとしたら、
それは「理想の自分像」が心からプックリと顔を出した瞬間なのだ。


つまり、劣等感はぜんぜん恥ずかしいことじゃない。
「出来ていない」と感じることは自分の「理想イメージ」がわかっている証だ。
イメージを持っているということは成長できるフラグで素敵なことじゃないか。
思い返して欲しい。自分がどんな瞬間に強い劣等感を感じたかを。


さて、僕の身に置き換えて考えてみる。
僕が強い劣等感を感じるのはいつか。考えてみると次の二つが浮かんできた。


「ITに関する利用ノウハウの知識が劣っているとき」
バロックヴァイオリンの演奏が劣っているとき」


これを理想のイメージの逆と考えれば、僕は


「ITに関する利用ノウハウの知識を沢山持っている自分」
バロックヴァイオリンの演奏が上手い自分」


に憧れているといえる。
うん。自分は確かに、この二つをずっと求めてきた。これを達成するまで死ねない。
いや、ずっと満足なんて出来ないだろう。もっともっと、と上を目指すからだ。
だからこそ、追い続けられる。つまり、人生のテーマになる。


よく自分がやりたいことが見つからない、と嘆く人がいる。
そういう人にはこうアドバイスしてはいかがだろうか?


「あなたは何が出来ないと一番悔しいと思ってきましたか」


悔しい、至らないと思うそのことは、アナタがずっと求めてきたモノかもしれない。