1500円にギリギリ達しない本は書店で買え

hosikiti2009-03-14

アマゾンが1500円以上の商品の送料を無料にして久しい。
ブックオフBK1などの国内の主要なオンライン書店も、アマゾンのこの戦略にいわば引きずられるように「1500円以上送料無料」を行っている。
最近では1500円ちょうどの本も増えてきたような気がしていて、オンライン書店を意識しているのだなと思っていた。


そんな中、最近アマゾンで購入した本をふと見たら、その本の価格は1400円だった。領収証を調べてみると、支払額は1770円。実に370円も多く払っている。自販機で缶ジュースを3本(¥120x3=¥360)、松屋なら豚めし(¥350)を頼める金額だ。そんなことをぼんやり考えていたら、唐突に頭の中にこの本を作った出版社の思いが伝わってきた。


「この本はアマゾンではなく、町の本屋さんで買ってくださいね」


そうなのだ。あたりまえのことだが、この本は町の本屋さんで買えば1400円ポッキリで買える。だがこの本を買ったときの僕の頭の中には、送料はかかるなー、という思いはあったが、町の本屋さんで買ったほうが安い、という考えは微塵も浮かばなかったように思う。いやもっと言えば、最近、新しい本は本屋さんで買うものという認識自体が無いと言ってよい。
これは全くアマゾンの戦略の大勝利である。


本は(1500円以上)「送料無料」という常識を人々の頭にうえつけ、さらに本はネットで買うものという認識改革を行った。


これによって、僕のようなアマゾンで本を買うのがあたりまえになってしまった人間は、多少送料がかかろうが、アマゾンで本を買ってしまうのだ。
考えてみればこれは恐ろしいマインドコントロールのようなものだ。


本屋まで、バスや電車で何時間もかかるところに住んでいればメリットはあろう。
しかし家を出れば徒歩10分以内に大きな書店が、思い出せるだけで3つもあるようなところに住んでいる僕は、どう考えても1400円の本は本屋さんで買うべきであった。そして浮いたお金で松屋豚めしを食べるべきであった。安く本が買え、1回分の食事ができたあげく、20円残るのだから。


都会に住んでいるアナタ、1500円に満たない本は本屋さんで買いましょう。送料は意外に無駄です。


※と書いたあとでちょっと調べてみると、世の中にはそれでもアマゾンという猛者がいました。

【改訂版】Amazonで「もう少しで送料無料なのに」という時はこれを買おう

ようするに1500円に足りない数百円、数十円分の商品をアマゾンで買って1500円にしてしまえという考え。まぁこの考えもわかるのだが、僕のように要らないものはなるべく買わない主義(その日必要なものだけを買う)の人間にとっては少し受け入れがたい。やっぱり安く買えるのだから、本屋さんに行けばいいじゃないかと思ってしまう自分はもう古い世代なのか。